え!ラベルを見るだけ!?植物を10倍楽しめる方法

「名前は名前でしょ?」
「何が面白いの?」

表題を見てこんな感想を
持たれたのではないでしょうか?

植物園には植物がたくさんあって
非常に心躍ますし
見るだけでも十分楽しいのですが
植物の前に置かれているラベル
からも
さらに楽しむことができるのです!

この記事では
・ラベルの見方
・そこから植物を楽しむ方法
を紹介していきます

この記事でわかること

・名前から植物の名前が読み解ける

・名前から植物への関心が深まる

・名前に注目しがちになる

植物は分類されている

まず予備知識として
名前を楽しむために知っておきたいのが
植物の分類についてです

基本的に植物の名前は
植物の特徴からつけられていますが

むやみやたらに
名前がつけられているわけではなく
きちんとした分類体系に基づき
命名されています

では
どのように分類されているかといえば

花、葉、茎の構造などの
形態の違いにより分類されています

分類方法は
大きな分類から
界、門、網、目、科、属、種
と分類されています

※この分類方法は植物だけでなく
生き物すべてに適応されています

(臨・兵・闘・者・・・じゃないですよ?)

なんか呪文みたいでわかりにくいので

ウメを例として見てみましょう

一番上の「界」という大きな分類から始まり
下の方にいくにつれ小さな分類になります

馴染みがあるのは
「科」「属」「種」ではないでしょうか?

一番下(黄色部分)の「種」に当たる部分が
「学名」とも言われてます
右側のラテン語で記載されたもの
これが世界共通の名前なのです

ラテン語って英語っぽいですけど
試しにウメの分類に記載のラテン語を
適当にネットで検索したら
英語じゃないことがわかりますよ

「学名」には大きな特徴が…

「学名」は属名+種小名で表されます

ちなみに種小名という言葉がでましたが
種小名とは
その種の特徴を表した単語
です

種名と種小名は違うことに注意!

ウメの場合だと
※先ほどの分類階級の画像参照

学名(種名)はPrunus mumeです

属名 → Prunus
種小名 → mume
となってます

種小名は特徴を表すとは言いましたが

ウメの場合に至っては
昔々、ただ単に
日本で「ムメ」と呼ばれていたからだそう

あのシーボルトさんが命名者のようです

種小名は特徴以外にも
地名であったり、人物名の場合もあります

というわけで
Prunus mumeは
ウメを表しているわけですが

直訳すると

サクラ属のムメ

となり、そのまま!!

他の種小名も見てみる!

ウメは種小名が特徴っぽくなかったので
他のものを見てみましょう!

カボチャの場合

カボチャの「種名」は
Cucurbita  moschata です

普通なら
「へぇ~そうなんだ!」って

スルーしがちですが今回は違います!

ではそれぞれの意味はというと
属名 Cucurbita → カボチャ属
種小名 moschata → 麝香(じゃこう)の

※麝香とは甘く粉っぽい香りの意味

つまり「麝香のカボチャ属」
となるので

それぞれの単語だけで
なんとなく想像できそうです

続いてもう一つ見てみましょう!

トサミズキの場合

トサミズキの学名はCorylopsis spicata
属名 Corylopsis→トサミズキ属
種小名 Spicata→穂状花序をなす

※穂状花序(すいじょうかじょ)とは
長く伸びた花序軸に、ほぼ均等に
花柄がない花を多数つけること

「穂状花序をなすトサミズキ属」
となります

たしかに特徴をとらえております!

さてここで気になるのは
種小名が違ったらどうなるのか?
ということで

種小名 Spicata以外だと
どんなのがあるのだろう?

ということで調べると

Corylopsis  pauciflora

がありました

属名 Corylopsis→トサミズキ属
種小名 pauciflora→少数花の

なので

「少数花のトサミズキ属」

現物はこちら↓

なんと!
paucifloraに変わると
ヒュウガミズキになりました

確かに少数花ですね

さらに深堀へ

さらにさらに!

Corylopsisはトサミズキ属を表してますが

意味を調べると
ハシバミ属に似た
となっていました

Corylus(ハシバミ属)と
opsis(似る)を
組み合わせた単語のようです

ではハシバミ属とはなんなの?
というところで比較したのがこちら↓

一見、同じに見えます!
すごく似てます!

といったように
ラテン語の意味がわかれば
名前だけでどのような植物なのか?
なんとなく想像できますが

さらにそこから
「違う種小名ならどんなの?」
「この属名気になるな・・」
のような疑問がわくといろいろな植物を知る
きっかけになっていきます

まさに沼!

種小名の後ろに・・・

先ほど
学名(種名)は
属名+種小名と言いましたが

学名の表記は
属名+種小名+〇〇といった表記も
たくさんあります

○○の表記がされるのは

亜種、変種、品種などの場合です

ちなみにそれぞれの意味は
次のようになります
※()内はラテン語表記の略語

亜種(sp.またはssp.)
→原産地と地域により差異があるもの

変種(var.)
→自然に変異したもの

品種(f.)
→独自の分布地域を持たず
わずかな違いしか見られないもの

園芸品種(cv.)
→人工的に交配されたもの

このように
通常の品種に加え
違った形態のものがたくさんあるのです

亜種を例に見てみましょう

まず
サボテンのシャチガシラ
というものがありますが

こちらの学名は
Ferocactus cylindraceus

これの亜種に当たるのが
Ferocactus cylindraceus
subsp.tortulispinus

サボテンのセンプウギョク
になります

そこで気になるのが
実際どのようなものなのか?
それぞれの意味も調べてみました

それは実際にはどんなものか
実際の物も見てみたいですよね!
↓現物を比べてみたものがこちら↓

針のねじれ具合が違いますが
言われないと気にならないですよね

原産地が違うだけで
微妙に違う進化を遂げるというのは
非常におもしろいものです

以上
亜種を例に解説しましたが
変種や品種も同じように
学名から想像するだけでなく
実際に現物をみることで
なんともいえない感動があります

今日から学名にも注目です!

学名は情報の宝庫という話でしたが

植物園などでよく見る
名前を表示するためのラベルに
上部にラテン語で記載された学名…

パッと見ても意味がわかりませんが

ラテン語の意味を調べてみると
その植物の特徴や親戚
原産地や歴史に至るまで
そこから世界が広がっていくのです

植物園だけではなく
動物園や水族館でも学名が
書いてありますので
興味がある生き物の学名を
調べてみるのも面白いですよ!

ちなみに
水族館にいる生物で
学名が Heteroconger hassi
というのがいます

Heterocongerは
Hetero(異質の) +  conger(あなご)
 hassiは(井戸)
という意味になります

察しのいい方なら
お気づきでしょう

答えは

チンアナゴでした

ラテン語はネット検索が早いですが
書籍でもラテン語辞典が出ており
辞典を見てるだけでも楽しいですよ

では今日はここまで!